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『眠りのすべて』というフランス演劇を観てきました。
東京日仏学院主催の公演です。 「睡眠障害」をテーマにした、すごく変わった演劇。 昔から夢とか睡眠にすごく興味を持っていたので、 眠りについての深い考察ができそうな気がして、ずっと楽しみにしていた公演。 ![]() 『眠りのすべて』パンフレット 今回の公演のもう一つの楽しみは出演者。 あの『ポン・ヌフの恋人』で主演したドニ・ラヴァンが出演しています。 現在は主に舞台で活躍している俳優です。 彼が演じる生の舞台を見ることができたのは貴重な体験でした。 ![]() 公演後のドニ・ラヴァン 『眠りのすべて』はあらゆる眠りをダンスとテクストで表現するというもので、 プロローグにはドニ・ラヴァンと振付家マリオン・レヴィによる とてもコミカルな睡眠講座がありました。 (眠りには3つある:浅い眠り、深い眠り、そしてレム睡眠! 夜は刺激物を避ける:コーヒー、紅茶、ビタミンC、女遊び・・・など) その後、「眠り」という概念を象徴した女性の詩的な独白に始まり、 夢に入っていくまでのプロセスを複数のダンサーが独自に表現。 特にアリン・ブラズ・ダ・シルヴァの演技が美しかった。 他に動物に変身してしまうドニ・ラヴァンの演技も面白い。 どうやって夢に入り込み、そして眠っている間に何が起こるかを 深い考察の中で表現していくフランスらしい舞台でした。 照明も赤・緑・青の三原色を使ったもので、光療法の原理とのこと。 鏡を使った驚きの演出も、もう一人の自分と対峙する夜の世界にぴったり。 (鏡の中に映像が移され、床に寝ている役者が空に浮かぶように見えます) 演出のどれもが美しく象徴的で、眠りについて考えさせられる舞台でした。 ![]() 『眠りのすべて』の出演者(パンフレットより) またフランス人の詩的で量の多いテクストは 沈黙の多い眠りをテーマにした演劇でも変わりません。 フランス演劇の役者たちは本当にみんなよくしゃべる・・・。 「あなた眠ってる?」「いいや!」「私も!」「私は眠ってる?」 皆が一斉にテクストを吐き出す場面はすでに理解不能でした。 この演劇を思いついたのは振付家のマリオン・レヴィ。 彼女自身も実生活の中で睡眠障害に悩まされており、 パリのシテ島にあるオテル・デュー病院睡眠センターの医師の話を聞いているうちに 眠りというテーマの芸術的な潜在性に気づいたそうです。 ![]() マリオン・レヴィの制作ノート(パンフレットより) 公演後の役者と振付家、作家を交えたトークショーでは、 ナンテール大学のビエ教授を司会に、夢をテーマにいろんな話が聴けました。 夢の神モルフェウスという存在は初めて知りました。なんとなく気になります。 他に印象に残ったのは、脚本を担当したファブリス・メルキオの 「動きの音楽性と言葉の音楽性が合わさった時に新しいものが生まれる」 という言葉で、作家らしい意見だなと思いました。 ダンス(身体)だけではなく他から来るもの(言葉)が大事だということだと 思います。それにしてもフランス演劇のテクストは本当に魅力的。 ダンスと言葉の融合によるハイブリッドなスペクタクルでした。 公演後、舞台で使われた白い枕を持って帰ってよいそうなので ありがたく持って帰りました。(ドニ・ラヴァンにサインしてもらいました) これでいい夢が見られそうです。 『眠りのすべて』"En Somme!" 構想・振付:マリオン・レヴィ テクスト:ファブリス・メルキオ 出演:ドニ・ラヴァン、アリン・ブラズ・ダ・シルヴァ、ダヴィッド・ルラ、ユンエ・キム、マリオン・レヴィ 関連サイトURL:http://www.institut.jp/ja/evenements/11475
少し昔のパリのガイドブックには、
「このデパート屋上から見るパリの眺めはとても素晴らしい」と書かれています。 ![]() ポン・ヌフから右岸側に見えるこの建物は、パリの老舗デパートだった「ラ・サマリテーヌ」。 なんでも揃うと評判で屋上からの眺めのよいデパートとして人気でしたが、 1990年代から経営が悪化し、2005年に閉鎖。 建物の一部は文化財に指定されています。夜には文字がライトアップされますが、 近くへ行くとまるで廃墟のような雰囲気になっています。 「よきサマリア人」という意味を持つこのデパートは、 19世紀後半の1869年にエルネスト・コニャックによって作られました。 百貨店文化が花開いた時代にできたアール・デコ様式の老舗デパートです。 ![]() 夜のサマリテーヌとポン・ヌフ駅 ラ・サマリテーヌが生まれた時代というのは、 まさにオスマンによるパリ改造が行われた時期と重なります。 この時期に今日のいわゆる百貨店が次々に生まれました。 豪華な内装と定価という安心感を兼ね備えたデパートは、 パリ市民の心をつかんで急成長していきます。 まず1852年に世界初の百貨店「オ・ボン・マルシェ」がブシコーという商人によって パリ左岸のバック通りにできています。 1867年には「オ・ボン・マルシェ」で働いていたジュール・ジャリューゾが オペラ座の北側に「オ・プランタン」を開店しました。 同じ年に元衣料品店だった「ラ・ベル・ジャルディニエール」(美しき女庭師)が できています。 そして2年後にその隣にできたのが、今回紹介した「ラ・サマリテーヌ」です。 ![]() ポン・ヌフから見たサマリテーヌ 1869年にできた「ラ・サマリテーヌ」は急成長を遂げていきます。 創設者のエルネスト・コニャックは、「オ・ボン・マルシェ」の店員だった マリー=ルイース・ジェイと結婚して、夫妻で共同経営するようになります。 ベル・エポックの時代にはアール・ヌーボー様式の美しいデパートとなり、 その後アール・デコ様式に改修され、1933年にはギャルリー・ラファイエットと オ・プランタンを超えるパリ最大のデパートになりました。 また夫妻は「オ・ボン・マルシェ」の創設者ブシコー同様に社会活動を積極的に行い、 コニャック・ジェイ美術館をつくりました。 しかし1990年代に経営が悪化。 2001年にはルイ・ヴィトン・モエヘネシーに買収されましたが、 2005年に老朽化によって閉鎖が決定しました。 その後サマリテーヌは時代に取り残された廃墟のように閉店したまま、 今までセーヌを見下ろしていました。しかし2010年、ルイ・ヴィトンによって2014年開業に 向けて改修されることが決定されました。 建築デザインを手掛けるのは日本人の建築家ユニットSANAA。 新サマリテーヌの建物内にはデパートだけでなく、市営アパートやホテルが入る予定。 近いうちにパリの新しい名所サマリテーヌが生まれるかもしれません。 そのときには是非、このデパートの屋上から眺められる自慢の「パリパノラマ」を見たいものです。 ![]()
今回のパリ探索でようやく行きたかったお店に行けました。
それは大衆レストラン「ポリドール(Polidor)」 リュクサンブール公園の近くにあり、公園散策のあとにもぴったり。 パリで伝統的でお手頃価格のレストランを探している人に最適のお店です。 ![]() ポリドールの外観 ![]() ポリドールの店内 ポリドールの歴史は1845年にまで遡ることができ、その外装も当時のままといった感じ。 雰囲気や内装も昔から変わっておらずまさに19世紀半ばの世界へ入ることができます。 今では観光客が多く訪れてもいますが、早めに行けば誰もいないひっそりとした店内で10ユーロ前後のボリュームたっぷりな定食を食べることができます。 どれもフランスの家庭料理で、味付けは濃厚でとても美味しいです。 ![]() とっても濃厚な牛の腸詰定食はマッシュポテトもたっぷり。黒パンも美味しい またこのお店はパリ修業時代のアメリカ人作家アーネスト・ヘミングウェイが通った店としても、ファンの間で知られています。 味のある古きインテリアもヘミングウェイのときと変わっていません。 彼のお気に入りのワインはカオールだったと言われています。 またデザートとしては特製のタルト・タタン(アップルパイ)がおすすめ。 ![]() カラメルソースのかかった人気デザート タルトタタン ご興味のある方は、 19世紀の雰囲気を味わいに是非ポリドールを訪れてみてください。 昔ながらのフランスの料理を味わうことができますよ。 ⇒その他のパリの観光写真
18世紀パリの中心だった元王宮へ
今日はパリの中心にありながら、とても静かな観光エリアをご案内します。 パリ一の観光地ルーヴル美術館の北を走るリヴォリ通りを渡ると、古い建物が見えてきます。 ここが今回の舞台「パレ・ロワイヤル(Palais Royale)」。 かつての王宮ですが、今は国務院が入っていて非公開となっています。 今回ご紹介するのは、その王宮の奥にある回廊に囲まれた中庭です。 ここ足を踏み入れると、ルーヴル宮殿の喧騒が嘘のように静か。 誰もが散策自由で、古都パリの中枢にあるオアシス的な場所となっています。 ここはかつてパリ随一の観光地でした。 ![]() 薄暗い回廊を抜けるとパレ・ロワイヤルの中庭へ。 子供の遊ぶ声が聞こえてきました。中庭を散策してみましょう。 ![]() パレ・ロワイヤルの中庭。静かな庭園内には噴水があり、家族連れや遊歩者が時を過ごす。 かつてはルイ13世、14世の王宮庭園でした。 ![]() 庭園内では噴水前の椅子に座って読書をしたりスケッチをしたり。 パリの中心部にありながら、ゆっくり自分だけの時間を過ごせるオアシスなんです。 ![]() 子供たちも伸び伸びと遊んでいます。これは「だるまさんが転んだ」? ![]() 犬も庭園をお散歩中 ![]() 一体どこへ行くんでしょう? ![]() 庭園で遊ぶ女の子(近くにいるおじいちゃんと一緒でした) ![]() 買い物帰りにパレ・ロワイヤルで一休み、というのもいいですね 王宮からショッピングセンターへ 平和な中庭になっているパレ・ロワイヤル。もともとはルイ13世の宰相リシュリューの城館でした。ルイ13世の死後、1640年代には幼少時代のルイ14世がルーヴル宮殿からここへ移り住み、「王宮」(パレ・ロワイヤル)と呼ばれるようになりました。それからブルボン王朝の傍系オルレアン家の宮殿となり、ルイ14世の弟であるオルレアン公フィリップ1世が住むようになりました。しかし1784年にルイ=フィリップ・ドルレアンが中庭の回廊を改装してアーケード付きのショッピングセンターに変えてしまいます。 ![]() ショッピングセンターとなった回廊。 しかし今では訪れる人も少ない。 回廊にはレストランや商店ができ、警察の立ち入りが禁じられていたので革命家や娼婦のたまり場にもなりました。 それ以来、パレ・ロワイヤルはパリ一の盛り場として流行の発信源となりました。その噂はヨーロッパ中に広まり、世界中から人が集まったと言われています。フランス革命のあった1789年にはカミーユ・デムーランが演説を行ったところでもあります。現在の寂れ具合からは想像もできません。 ![]() 古くからパレ・ロワイヤルのアーケードにある勲章のお店。 アーケードには彫版工房や、アンティークの銀食器のお店、鉛製のおもちゃの店、勲章を売る店などが入っていて、18世紀から時が止まったかのような商店街。現代アートを鑑賞できるギャラリーも入っているところが面白い。 ![]() パレ・ロワイヤルに残った唯一のレストラン「グラン・ヴェフール」 静かな回廊で18世紀を喧騒を想像しながら食事というもいいですね。 コレットとコクトーが住んだ場所 ここには20世紀を代表するフランスの作家コレットとコクトーが住んでいた場所でした。二人は近所同士で、お互いに窓越しに手を振りあう光景が見られたといいます。コレットは晩年には関節炎を患い、ほとんど部屋のベッドから出ることはありませんでした。1922年のプルーストの死後、もっとも優れたフランス作家と言われてきたコレットは、レズビアンでありながら、フェミニストを嫌悪したりと、矛盾に満ちた人生を送っています。才能を開花させた1920年代から1954年に亡くなるまでフランスを代表する女性作家と言われてきました。コレットとプルーストは当時のフランス文学とは異なる文体で、独創性に満ちたものでした。代表作は『シェリ』『シェリの最後』『青い麦』『クローディーヌの家』など。 コレットのアパルトマンはボージョレー通り9番地2階にありました。現在は3部屋しか残されておらず、ジャック・グランジュという室内装飾家の所有になっています。そこからはコレットが晩年に関節炎に苦しみながら眺めたパレ・ロワイヤルの庭園を眺めることができるようです。 ![]() 家族連れの多いパレ・ロワイヤルの休日風景 現代芸術もあり、子供に人気 またパレ・ロワイヤルは古さの中に新しい芸術を取り入れています。庭園の中にはダニエル・ビュラン作の地面から浮き出たような白黒ストライプの円柱群やポール・ビュリイ作の銀色の球体などの現代的なオブジェがあります。 たまに現代美術の展示も行われ、行くたびに新鮮な出会いがあるのもパレ・ロワイヤルの魅力です。 ![]() ビュランの円柱で遊ぶ子供。楽しそう ![]() 生えてきたような円柱の中を走ります ![]() パレ・ロワイヤルの現代アートは家族の憩いの場になっているんですね 遊歩者に最適なアーケードや子供も遊べる現代芸術もあるパレ・ロワイヤル。 ルーヴル美術館の観光の一休みに訪れてみてはいかがでしょうか。 ⇒パレ・ロワイヤルとその他のパリ写真
今回はパリに残る19世紀の不思議な建築と最新の人気スポットをご紹介します。
映画『アメリ』で有名なサン・マルタン運河の終点はパリのスターリングラード駅。 ここはヴィレット貯水池の始まりの場所でもあります。 その貯水池の前に不思議な円形の建物があります。 これはロトンド・ド・ラ・ヴィレット(Rotonde de la Villette)と呼ばれるもので、 フランス革命直前の18世紀末に建てられた入市税の関所です。 ![]() 19世紀の歴史的建造物ロトンド・ド・ラ・ヴィレット 当時ここには城壁があり、文字通りパリの外れでした。 パリにやってくる商人や農民たちから税をとるためにこの建物が建てられ、 1784年から1788年まで使われました。 今では城壁はなくなり、この円形の建物だけが残っています。 ![]() ロトンド・ド・ラ・ヴィレットは「幻視の建築家」と呼ばれるフランス革命期の建築家クロード・ニコラ・ルドゥーによって作られました。 なんだかパリとは思えない不思議な建物ですね。 ![]() スターリングラード駅周辺の街並み。少し怪しげな雰囲気・・・ でも治安は悪くありませんのでご安心を ![]() ロトンド・ド・ラ・ヴィレットの目の前には大きな噴水があり、その先にはヴィレット貯水池が広がります。 次にすぐ近くの映画館に行ってみましょう。 ![]() ロトンド・ド・ラ・ヴィレットのすぐ前にパリの大型映画館MK2があります。 MK2はパリに複数あるチェーン系映画館。 池の目の前にある珍しいロケーションの映画館ですね。 船も行き交い、水辺の遊べるスポットとして若者に大人気。 夜はイルミネーションがきれいです。 ![]() 向かい側にはカフェもあり、貯水池を見ながら時間を過ごせていい雰囲気です。 ![]() 水辺の映画館とカフェが楽しめるヴィレットは人気スポット。 歴史的遺産と新スポットが組み合わさった新しいパリの観光地です。 アクセスはメトロ2・7・5番線のスターリングラード駅が一番便利。 サン・マルタン運河散策のついでに立ち寄るのもいいかもしれません。 そこからさらに北へヴィレット貯水池が流れ、その先には最先端のヴィレット公園があります。 野外映画祭も開かれる解放感あふれる公園で、こちらもおススメです。 ⇒その他のパリの観光はこちら
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