オルエットの方へ
パリとはあまり関係ないんですが、
とても面白いフランス映画を観たのでご紹介したいと思います。

「オルエットの方へ」(Du Cote d'Orouet)というフランス映画を観てきました。監督はヌーヴェル・ヴァーグの最年長ジャック・ロジエ(エリック・ロメール亡き今は、彼が最も最年長の監督といえるでしょう)。この映画は今まで日本で一度も上映されておらず、今回限りの上映になりそうなので、いてもたってもいられなくなり観に行きました。彼の映画はフランス人のバカンスを描いたものが多いのですが、この映画もまさにフランス人のバカンスそのものが物語となっています。

パリで働くOL3人が海辺の別荘にバカンスに行くだけの話なんですが、フランス映画でここまで笑ったのは初めてです。どうでもいいことに真剣になって笑い続ける3人、そのうちの1人が好きでバカンス地まで追いかけてきた会社の冴えない上司(この俳優がいい味を出している)。3人が冴えない上司をないがしろにするシーンが延々と続きます。映像がいきなり途切れて日付が入るのも、ヌーヴェル・ヴァーグならでは(エリック・ロメールの「夏物語」を思い出します)。

カメラがあるとは思えないあまりにリアルなバカンス風景がこれでもかというぐらいスクリーンに流れ続けます。なんというか度を過ぎるほどにリアルな映像とOL3人の無邪気さにただ笑うしかないのです。極めつけはオルエット。題名となっているオルエットは彼女たちがいったバカンス地の近くにある農場の地名。なぜかオルエットの発音をめぐって3人が大爆笑し、「オォォルゥゥエット」と叫び続けます。そして「オルエット・カジノ」という垢抜けない看板の先にあったカジノの正体にまた大笑い。この映画は何が起きても笑ってしまう正真正銘の幸せなバカンス映画。そして、この映画を見ることで日本人がいかに人生の楽しみを損失しているかが分かってしまうところが悲しい。やはりフランスのバカンスは人生の喜びそのものなんだなぁ。60年代のパリのオフィス風景も見所です。
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by kou-mikami | 2010-02-15 00:42 | パリの映画
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