パリの西に目を引く緑色の橋があります。
名前は「ミラボー橋」。 観光地のある中心部からはかなり離れていますので なかなかここまで来られる旅行者は少ないと思うのですが、 実は文学史上では有名な橋なのです。 見た目はただの鉄骨の橋。周囲も近代的なビルが多い・・ でもベルエポックの詩人ギョーム・アポリネールが歌った「ミラボー橋」で有名になりました。 「ミラボー橋の下にセーヌは流れる。そして僕たちの恋も (Sous le pont Mirabeau coule la Seine, Et nos amours)」(以下略) という彼の詩句が橋に刻まれています。 この詩は、アポリネールが恋人マリー・ローランサンとの愛をうたった詩です。 夜のミラボー橋。4体の女神の像が橋を支えています。 2人は当時ミラボー橋を隔てて15区と16区に住んでいました。 出会いはピカソのアトリエだったモンマルトルの「洗濯船」。 キュビズムの作家ジョルジュ・ブラックを通して知り合いましたが、 あることがきっかけで6年後に破局してしまいます。 トリュフォーの映画「突然炎のごとく(Jules et Jim)」に出てくる 女神のような女性カトリーヌは、マリー・ローランサンがモデルとも言われています。 (他にも諸説あり・・真相は不明です) そもそもイタリア出身でポーランド人のアポリネール。 彼は何故パリへやってきたのでしょうか。 実は1900年の万博を見るためでした。 当時彼はまだ19歳。まさに上京といった感じでしょうか。 完成したばかりのエッフェル塔を見た彼は、それを新しい美学だと感じました。 アポリネールは、批判にさらされたエッフェル塔を美しいと感じた数少ない人間の一人でもありました。 ミラボー橋からエッフェル塔を臨む ちなみにミラボー橋とエッフェル塔はほぼ同時期に造られたもので、 どちらも当時では珍しい鉄建築でした。 アポリネールに愛されたエッフェル塔とミラボー橋。 今でも2つの鉄骨芸術は健在なのです。 →その他のパリの写真
by kou-mikami
| 2010-02-21 19:31
| パリの街角
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