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クロード・ミレールの遺作『テレーズ・デスケルウ』
2013年のフランス映画祭で『テレーズ・デスケルウ』(Therese Desqueyroux)を観た。
この映画を観ることにした大きな理由は2つ。
女性のダークサイドを描いた映画であるということと
主演が『アメリ』で有名になったオドレイ・トトゥだということ。
2012年に他界したクロード・ミレール監督の遺作となったこの映画は、
私にとってずっしりとした印象を残す素晴らしい映画だった。

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ストーリー
女性のダークサイドというのは映画祭のチラシに書かれていた言葉だが、
原作を読むと、それは一言では説明できないもっと深いものであることに気づく。
原作はフランソワ・モーリアックの小説『テレーズ・デスケルウ』(1927)。
舞台は20世紀初頭のフランス・ランド地方アルジュルーズ。
財産目当ての家同士の結婚が普通だった時代の女性テレーズが主人公である。
良家の娘だった読書家のテレーズはデスケルウ家の長男ベルナールと結婚する。
嫁ぎ先のデスケルウ家は広大な松林を所有しており、結婚によってテレーズも
松林の一部を財産として手に入れることになる。それも計算の一つであった。
そして彼女はテレーズ・デスケルウとして頼りになるよき妻になろうとした。
周囲の期待応えて普通に結婚すれば、全てはうまくいき悩みも消えると思っていた。

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しかし平凡で想像力のないベルナールとの結婚は退屈そのものだった。
夫は猟にしか興味を持たず、彼女の文学や精神生活について理解してくれない。
子どもの頃から巣食っていた彼女の空虚な心の穴は徐々に広がり続ける。

原作の文章を借りれば、「テレーズが平和だと信じていたものは、実は仮眠の状態であり、胸の中にひそむ爬虫類の冬眠にすぎなかった」。この「爬虫類」という表現がその後彼女が起こす不可解な事件を暗示しているようで恐ろしい。その予感は結婚の日当日から始まっており、彼女は親友のアンヌとキスをしたとき「突然自分が虚無感にとらえられた」ように覚え、「自分の内側にあるこのどす黒い力と、おしろいを厚くつけた可愛い姿とのあいだに限りない距離感を感じたのである」。
映画の中のテレーズも結婚式当日に心からの笑顔はなく、どことなくぎこちない不安がつきまとっている。
美しい結婚式であるはずの風景が観る者になんとなく居心地の悪さを感じさせてしまう映像である。
マリッジブルーではなく、結婚当日にさえこのように感じてしまう彼女の闇とはどんなものなのか、その後の展開が非常に興味深くなる場面だ。

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そんな空虚な結婚生活が始まったある日、ベルナールの弟でテレーズの幼馴染だったアンヌが家族が選んだフィアンセとの結婚に反対し、貧しい家の青年に恋する。
アンヌと青年の恋をやめさせるように夫から頼まれたテレーズは青年のところに行って話をするが、逆に青年の文学への情熱や精神生活に心を動かされる。青年が告げたのは恋の素晴らしさであり、家同士の結婚の空しさであった(ちなみに青年がテレーズに『地の糧』を読んだかと聞くシーンがあった。これはアンドレ・ジッドの小説で、カミュが『孤島』に次いで影響を受けた書物)。
恋愛の素晴らしさを目の当たりにしたテレーズは、ついに夫に対してある恐ろしい計画を実行する。

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女性が持つ空虚な穴を描いた恐ろしい映画
このようにストーリーだけを書くと、よくある愛憎の殺人ドラマに見えるかもしれない。
しかしこの小説の真に恐ろしい部分は、彼女を殺人に駆り立てた明確な理由がないところである。
現在のドラマでなら不倫・保険金・憎しみなどが挙げられるが
彼女は夫を憎んでいるわけでもお金を盗もうとするわけでもない。
この物語が描こうとしているのは殺人ではなく、テレーズという不可解な女性が持つ空虚な穴の巨大さである。そしてこれは20世紀初頭を描きながら、非常に現代的であり、今もまさにこのような女性がどこかにいるのではないかと思わせる。おそらく人を殺すのに明確な動機というものはなく、様々な種類の不安の滴が複雑に心の池に溜まり続け、それが飽和点に達した時に起こるものなのかもしれない。

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原作者モーリアックは『テレーズ・デスケルウ』の冒頭でこう書いている。
「テレーズ、あなたのような女がいるはずはないと多くの人がいう。だがぼくには、あなたは存在しているのだ。長い歳月のあいだ、ぼくはあなたを探り時には追いすがり、その素顔をみつけようとしてきた」(遠藤周作訳)
つまりモーリアック自身も彼女の本当の考えをつかみきれないでいる。また彼女が頭がよく普通の結婚に幸せを感じられなかったのも要因と言える。しかしそのような不可解な闇をもつ人間こそ、本当に語るに値する人物なのだということだろう。そしてそんな人物を描いた本作は私の心を強く動かす。
訳者の遠藤周作もテレーズの姿を求めてランド地方に旅に出ている。

事件後の空虚な生活までも描いた作品
そしてこの映画の注目すべき点は、事件が解決して終わりではなく、「事件後の生活」に重きを置いているところである。夫への殺人未遂を起こした彼女は世間体を保とうとする夫の画策で免訴となるが、その後夫との夫婦生活を無理やりに継続させられ、幽閉生活の中で今まで以上の苦しみを受ける。そして幼い頃からの親友だった夫の妹アンヌとも深い溝ができ、誰も彼女に寄りつかなくなる。家族だけでなく地元の誰もが彼女が夫を殺そうとしたと思っている。それは事実だったが、何故殺人に至ったのかその理由が彼女自身にも分からない。

自由となって彼女が手にしたものは何だったのか
その後、ようやく自由の身になった彼女はカフェで夫と別れてパリの雑踏に消えていく。その自由は離婚をしないという制限付きの自由であったが、彼女はようやく自分の生活を見つけたのだと思う。しかしそれはどんな生活なのだろう。最後に彼女が見せたわずかな微笑みは何を意味していたのだろう。物語はそこで終わっているので、その跡の彼女の足取りはは分からないが、私には彼女の気持ちが少し分かる気がする。今の空疎な生活からどこかへ逃げたいという気持ちだ。しかし逃げたところで人生の解決策はどこにもない。その空しさを描いた映画なのかもしれない。人生という不可解なものに立ち向かう女性を描いた恐ろしくも考えさせられる映画であった。

映画と小説の違い
今回観た映画はほとんど原作に忠実に作られていて、観ていて心地よかった。フランスにあるランド地方の美しい松林。ランドとは「荒れ地」を意味し文字通り水はけの悪い荒野だったが、19世紀より松の森が植えられ美しい場所となった。その風景を映像として観ることができたのはよかった。
特にテレーズの少女時代の映像は非常に美しい。幼馴染のアンヌと松林の中を自転車で走り抜けるシーンや、湖に浮かぶ小舟の中で読書をするシーン。よき昔の回想シーンとしてじっくりと語られる原作と違いほとんど一瞬で終わってしまうのがもったいなかったが、2時間という制限の中では難しいのだろう。

一方、ランド県の美しい自然と対比されるのはそこに住む伝統を守る一家の色彩のない閉塞的な生活。松の森一帯を所有するデスケルウ家に嫁いだテレーズの空虚で演劇のような生活が静かに流れる。
オドレイ・トトゥの感情を隠したような人妻の演技はとてもよかった。幸せを知らず夫と表面的に付き合い、タバコを吸う彼女は美しい女性として描かれてはいない。しかし不思議な魅力がありスクリーンから目が離せない。

原作では彼女の殺人未遂が免訴となり、家路に帰るシーンから始まる。そこから過去の回想をして事件を起こすまでの経緯が語られる。それに対して映画では過去から現在への時間軸通りに物語が進行していく。活発で読書好きだった少女時代、結婚してからの空虚な生活、事件、幽閉生活、パリでの夫との別れ。物語の順序で言えば、やはり原作の構成のほうが面白いだろう。回想シーンで徐々に過去が明らかになっていき、全てが分かったところで、現実のクライマックスが訪れる流れのほうがダイナミックだ。しかしその違いを比較するのも楽しいし、これほど原作も映画も素晴らしい作品は稀である。

ちなみに『テレーズ・デスケルウ』は50年前の1962年にジョルジュ・フランジュ監督によって最初に映画化されている。そちらの作品もいずれ観てみたい。

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フランス映画祭2013の会場にて(上映作品のポスター)

『テレーズ・デスケルウ』(Therese Desqueyroux)
監督:クロード・ミレール
出演:オドレイ・トトゥ、ジル・ルルーシュ、アナイス・ドゥムスティエ
2011年/フランス/110分
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by kou-mikami | 2013-06-30 19:05 | パリの映画
レオス・カラックスの新作『ホーリー・モーターズ』
2013年1月27日渋谷ユーロスペースで
レオス・カラックスの新作『ホーリー・モーターズ』を観てきました。
長編としては前作『ポーラX』以来13年ぶり。

日本ではジュリエット・ビノシュ主演の『ポン・ヌフの恋人』の監督として知られ、
名優ドニ・ラヴァンと30年に渡って仕事をしてきたレオス・カラックス。
その彼が10年以上の沈黙を経て、衝撃的な新作を見せてくれました。

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『ホーリー・モーターズ』のストーリーについて

ストーリーはある男の一日を描いたSFともとれる物語。
大企業の重役であるオスカー氏はリムジンに乗り、朝からパリへ向けて移動する。
しかしパリへ着いた途端、彼は物乞いの老婆に変身しパリの橋をうろつき始める。
最初は単なる変装かと思ったが、どうやらそうではないらしい。
彼はリムジンに戻るたびに次々に違う人物に「変身」し、その「人生」を真に生きていく。
物乞い、CG内のドラゴン、地底の怪物、殺人者、父親、年老いた富豪。その数11人。
様々な人生を肉体の躍動をもって生き、次の瞬間には別の人物へするりと変わっていく。
そしてその日最後に行き着く休息地も、明日への始まりのための仮初の宿でしかない。

最大の疑問点1:演技をやらせているのは誰か

映画自体がSF的なので現実的でない部分が多いのですが、
疑問に思った点があります。
それはオスカー氏が様々な演技をするように指示しているのは誰かということ。
変身メイクを行うリムジンにはマネージャーらしき女性運転手が同乗していますが、
その組織自体が何の目的で演技をやらせているのかは分からない。
しかしこれこそが読者に委ねられた疑問かもしれません。
それは人生とは何かが分からないように、その疑問を背負いながら
生きていかなければならない私たち自身への問いかけでしょう。

最大の疑問点2:オスカー氏以外の人間も演じているのか?

この映画の中ではオスカー氏だけが変身してパリの街を生きているように思えます。
しかしオスカー氏と出会った人々には、オスカー氏が何者かと訝る人はなく、
全員がオスカー氏をそこに生きる人間・家族として受け入れています。
それは何故なのか疑問でした。
しかし、途中で老紳士を演じたオスカー氏と親密だった女性が実は演技だったように
もしかしたら周りの人間全員がオスカー氏のような演技者なのかもしれません。
皆があのリムジンで変身しながら移動し、降りた先で別の人間を生きる。
それはまさに現代の私たちの生活をそのまま映しているようにも思えます。

映画の中の変身、人間の憧れと疲れ

上記の2つの疑問点を考えると、
この映画はまるで私たちの人生そのものを示唆しているかのようでした。
私たちは日々の生活の中で様々な役柄を演じています。
それはそのような人物でいたいという変身願望だと思います。
またはそのような役柄を演じなければならない社会の圧力です。
しかし、人間そう簡単に変身することはできず、結局元の自分に戻らなければなりません。
そのような人生を生きる人間の憧れと疲れを名優ドニ・ラヴァンが見事に演じています。
役から役へ変身する合間にテンションが若干下がって元の自分に戻るシーンが
印象的でした。それも日常的ですね。

印象的だったエピソード

11人を生き分ける彼の演技はどれも印象的でしたが、特に強く残ったのは
地底の怪物(短編『メルド』に出てきた怪物)と家庭の父親のエピソードでした。
墓場で見つけた美女をさらって地底に連れて帰る怪物の不器用な挙動が
神秘的でありリアル。ヨーロッパの宗教絵画を見ているような神聖ささえありました。
また怪物とは180度変わって、パリに住む一般家庭の父親も印象的でした。
娘をパーティー会場から自宅に送り迎えする父親が
見栄を張って嘘をつく娘に言った「お前は自分自身を生き続けるという罰を受けなればならない」というセリフはこの映画の本質そのものを言い当てている気がします。

面白かったエピソード

リムジン内で怪物に変装途中のオスカー氏(ドニ・ラヴァン)が
日本のと思われるお弁当を箸で慌ただしく食べている場面は
なんとなくカラックス監督の日本文化への小さな興味を感じられてよかったです。
また怪物が墓のお花をムシャムシャ食べる狂気ぶりも目に焼き付いて離れませんでした。

閉鎖中のパリデパート「ラ・サマリテーヌ」の映像美

また『ホーリー・モーターズ』は映像も美しく神秘的でした。
カラックス本人が登場する目覚めのオープニングからドニ・ラヴァンが最後に到達する休息の場所まで、パリを中心とした美しい世界を観客に見せてくれました。
特に閉鎖中のパリのデパート ラ・サマリテーヌの美しく退廃的な内部映像を観られたのは収穫でした。アールヌーヴォーの階段、そして屋上からのパリの眺め!
サマリテーヌデパートの中で主人公のオスカー氏は昔の恋人と再会します。
このときだけは変身していないオスカー氏の本当の姿が現れますが、
それでさえかつての恋人に「あのときの私たちは誰だったの?」と問いかけられ、
その後恋人は悲劇的な結末を迎えます。

ひたすら一人の人間の「変身」という行動を追い続けた異色の映画『ホーリー・モーターズ』
この映画は行為の主体である人間の「聖なる原動力」についての映画であり、
それは「真の生き方」を意味しているのかもしれません。


上映後の監督のインタビュー

映画上演後はレオス・カラックス本人が舞台に登場し、トークショーがありました。

―13年ぶりの長編映画制作について
とにかく早く新しいものを作りたかったとのこと。
そのため低予算、パリでの撮影に限定、ラッシュは見ないという原則で
この映画を作ったと言っていました。

―ストーリーについて
彼によれば『ホーリー・モーターズ』はSF映画を想定して作ったものだと言います。
主人公が11人の別の人間に変身する姿を追い続けた躍動感溢れるストーリーは
現実世界ではありえないだけにSF映画とも感じられましたが、その一つ一つの断片は
非常に日常的なリアルさを感じさせてくれました。
それだけに日常生活を別の側面から描いた物語ともいえます。

―30年来の仕事仲間であるドニ・ラヴァンについて
彼は友人ではないしプライベートでは一度も会ったことがないとのこと。
カラックス監督の家とドニ・ラヴァンの家とは200メートルほどしか離れていないらしいが、一緒に食事したことは一度もないというのには驚きました。
ドライな感じがしますが、クリエイティブな関係とは意外とそんなものなのかもしれません。

―自分が監督して寡作である理由について
自分自身が変わったと思えないと新しい映画が作れないと言っていました。
そして人間はそう簡単に変わることはできないとも。
そのためこの10年以上の間、新しい映画が作れずに気が狂いそうだった
と話していました。

―映画について
映画について大事なのは人間の動き、行為であると話していました。
なのでモーション・キャプチャーで作ったCGはすでに映画ではない。
ドニ・ラヴァンの肉体と動きは素晴らしく、彼の全てを撮りたいとのこと。

―俳優について
カラックスは俳優には興味はなく、あるのは我々自身についてだと言っていました。
彼の映画を観ると、そのことがよくわかります。

本当の自分などはなく、常に何かを演じ続けなければいけない嘘の人生と、
自分自身を変えることはできない疲れ。
カラックスの新作は人間の苦しみについての美しい映画でした。

ホーリー・モーターズ "Holy Motors"
(2012年/115分/フランス)
監督:レオス・カラックス
出演:ドニ・ラヴァン、エディット・スコブ、エヴァ・メンデス、カイリー・ミノーグ、ミシェル・ピコリ、レオス・カラックス他
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by kou-mikami | 2013-01-29 10:26 | パリの映画
日本未公開のエリック・ロメール『室内遊戯』とエロイーズ・ベネット
日仏学院で、驚くべき上映会がありました。

エリック・ロメールの日本未公開の映像を
その日限りで上映するというものです。
しかもフランスでさえテレビで一度公開されただけの貴重なフィルム。
チケットは長蛇の列!日仏は普段とは違う熱気に包まれていました。

タイトルは『室内遊戯』"Les Jeux de societe" (1989)
フランスのテレビ局アルテ(芸術系番組)のドキュメンタリーチャンネルとして
制作された57分間の映像作品です。
各時代に行われていた実際の遊戯を再現して、そこから
歴史を読みとこうとする主旨の番組のようです。

上映室に入り、見る前から興奮していましたが、
なんと今回は『春のソナタ』にエーヴ役で出演したエロイーズ・ベネット(Eloise Bennett)が
上映会会場まで来てくれました!こんなことが起こるなんて信じられません・・・
「春のソナタ」の登場人物が実際の目の前に現れる瞬間は、あっさりと訪れました。
そして素晴らしかったのは、エローズ・ベネットが映画の中とほとんど変わらず
美しく、笑顔の素敵な女性だったことです。

実際の上映作品は非常に難解なものでした。(意識が半分飛びました)
執政政府時代に行われた「尋問台ゲーム」やルイ14世時代の「目隠し鬼」、
ルイ16世時代の「私は恋人を**だから愛している」という言葉遊びゲームなど。
しかし上映前にエロイーズ・ベネット自らこの作品の解説をしてくれたので、
なんとか理解することができました。(それでも30%くらいしか分からなかった)

上映後は再びエロイーズが舞台に登場し、
エリック・ロメールとの出会いや作品について語ってくれました。

ロメールは原作者の主観的な視点を大事にしているということ。
文学作品のテキストを一字一句変えずに映画に採用していること。
また、いかにその時代のリアリティを出すかについては、
絵画が動くような『グレースと公爵』の映像を流しながら、解説してくれました。
他にパスカルやカントなどの哲学者を多く引用するシーンについては、
『モード家の一夜』『春のソナタ』の映像の一部を流しながら解説。
なんだか映画の講義を受けているかのような充実感でした。

彼女がロメールと最初に出会ったのは
サンジェルマン・デ・プレに住んでいた13歳のとき。
『海辺のポーリーヌ』のオーディションでした。
ロメールはお茶が大好きで、彼の事務所でお茶を飲んだそうです。
そのオーディションには落ちてしまいましたが、
ロメールは彼女のことをずっと覚えていて、
本日上映の『室内遊戯』で抜擢され、美しいギリシャ風の衣装に纏った女性を演じました。
そして四季物語の第一回作品『春のソナタ』でエーヴ役として出演することになるのです。

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上映後に頂いたエロイーズ・ベネットのサイン(写真は『春のソナタ』の一場面)

『春のソナタ』でエーヴがジャンヌと夕食の席で哲学議論をする有名なシーンは
ソルボンヌ大学で哲学を学んだ彼女だからこそ演じられたのでしょう。
ロメールは会話の自然さを出すために、実際に哲学を知っているエロイーズを
抜擢したのだそうです。そのこだわりがすごいですね。

彼女は現在、ベトナムで教師として生活しているようです。
彼女にとってベトナムに行くことは、ロメールの映画に出演するのと同じくらい
エキサイティングなことだと言っていました。

この日は私にとってもエキサイティングな一日でした!
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by kou-mikami | 2010-05-30 09:11 | パリの映画
ハデウェイヒ
フランス映画祭4日目です。

この日に観た「ハデウェイヒ」は間違いなく今年最大の収穫でした。
謎めいたタイトルに惹かれて観に行ったんですが、
期待以上の映画!
良質な水のように揺らぎのないテーマと儀式的なストーリー展開に惹かれました。
タイトルは13世紀に実在したフランドル地方の神秘主義者の名前。映画の中ではそこまで出てきませんが。

ストーリーを少し・・
セリーヌはパリの裕福な親元から離れてフランドル地方にある修道院で生活をしています。
しかし信仰の異常な強さからか、規律を守らずに断食をしたり寒風の中に身を晒したりしたため、修道院から俗世へ戻るように指示されます。パリに戻ったセリーヌは、
サン・ルイ島にある豪華すぎるアパルトマンで無為な生活を送ります。
あるときカフェで出会ったアラブ人の青年と付き合い始めますが、キリストを愛するあまり、
肉体関係を持つことを拒否します。
しかしいくら祈ってもキリストは目の前に現れてくれません。
キリストの不在を嘆いた彼女は次第にイスラム教自体に感化されて危ない行動に出ます。
その後修道院に再び戻り、最後にある発見をします。

この映画の面白いのは現代ではなかなかお目にかかれない信仰心の強すぎるパリジェンヌが主人公だということ。
教会へ行く人の少なくなったパリでは意外な人物設定かも。
監督自身もこの主人公にはリアリティがないと断言していて、

「彼女は『愛するという感情の象徴』」

だと言っています(確かに彼女の透明な美しさは、人間自体というより何かをひたむきに愛する感情そのものに見える)。
彼女の顔のロングショットが多いのはそれを表現したかったかららしい。
しかしその愛はちょっと異常なものです。セリーヌはキリストを恋人のように愛していて、
そのために人間の男を愛することができません。
このような信仰心の深さを描くだけの物語だったら私は共感できませんでした。
しかし後半でイスラム教に感化されて大きな罪を背負い、その後再び修道院に戻ったとき、
ようやく監督の描きたかったことが分かる仕掛けになっています。
最初と最後に登場する修道院の壁を直す土木職人の男がセリーヌに変化をもたらすのです
(最初は彼が一体主人公とどんな関係があるのが不思議だったんですが・・・)。

監督は鬼才といわれるブリュノ・デュモン。
以前は哲学の教師だったらしく、映画にもその影響が現れています。
そして面白かったのは、トークショーで監督が「私はキリスト教などどうでもいい」と
答えていたことです。本当がどうか分かりませんが、
少なくともキリスト教の信仰者であったらならこの映画は絶対に作れなかったと思います。
ラストに待ち構える主人公セリーヌの感情の揺れこそ、
神を捨てた後に彼女がようやく見つけた最高のものなのだと思います。
とはいえ、映画の中で凱旋門があんな大惨事になるとは驚きました。
これは是非多くの人に見て欲しい傑作です!

「ハデウェイヒ」"HADEWIJCH"(2009/フランス)監督:ブリュノ・デュモン
主演:ジュリー・ソコロウブスキ、カール・サラフィディス
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by kou-mikami | 2010-03-22 16:47 | パリの映画
フランス映画祭2010開幕!
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今年もフランス映画祭がやってきました。
祭といっても最近はそんな雰囲気も徐々に減り、
唯一の目玉は初日のレッドカーペットくらい(横浜時代のベルエポックはいずこ?)。
本当に寂しい限りです。
それでも年に一度の最高のフランス的イベントであることに間違いはない。
規模が縮小するからこそ、参加して励ましたくなる映画祭なのでした。
チケットを予約してくれていた先輩は、
ちゃっかり数名の女優のサインをすでにレッドカーペットでもらっていたようです。
私は遅れてきたこともあって遠く微かにジェーン・バーキンの姿を見るのみで
そそくさとオープニング作品の上映される映画館内へ。

観たのは「ミックマック」(原題)という不思議なタイトルの映画。
「アメリ」や「ロングエンゲージメント」を撮ったジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作です。
先に言ってしまうと、この映画は完璧なまでに面白い!
ここ数年に観た映画の中で文句なしに最高の一本でした。
痛快で笑えて、愛に溢れています。
彼の映画というと、アメリのように御伽噺的でノスタルジックな雰囲気(セピア色)漂う映画を
イメージします。
私は基本的に現実のパリをそのままに映す映画が好きなんですが、
彼の作品は何故だか見てしまう。計算しつくされた幻想的なパリは、
まさに映画でしか見られないパリなのです。
ジャン=ピエール・ジュネは映画を見る幸せを完璧な形で与えてくれる稀な監督の一人です。

さてストーリーを少し。
監督の描く物語は、いつも唐突でいてシリアス!
主人公はパリの小さなビデオショップで働く男バジル。
あるとき店の前で起こった銃撃戦に巻き込まれて銃弾が頭に入ってしまい、
その負傷が原因で仕事をクビになってしまいます。
職を失ったバジルは、路上生活をしながら大道芸人を始めます。
パリでホームレス生活を送る姿は、とてもリアルで微笑ましい
(セーヌ河岸の工事現場で眠る彼の横を遊覧船が通っていく)。
そんなときに廃品回収の老人と出会い、彼らの仲間になります。
廃品(鉄くず)の山で造った秘密基地のような愉快な家で、
変わった仲間たちと共同生活を始めます。
彼らは鉄くずなどの廃品を拾ってきては、ここで修理して生計を立てているのでした
(そういえばパリのリシャール・ルノーワル通りに鉄くず市というのがあったらしい)。

あるとき自分を負傷させた銃弾を製造している会社、そして幼い頃に父の命を奪った地雷の製造会社を偶然パリ市内で見かけます(この2つの兵器会社が通りを挟んで向かいに立っているところが、ありえないことを現実にしてしまうジュネ的な発想)。
そして、その会社に復讐をすることを決意。鉄くず小屋の仲間たちと一緒に戦いに挑みます。
この復讐の綿密さには笑ってしまう。廃品回収している彼らならではの小道具をフル活用して、抱腹絶倒の復讐計画が画面に繰り広げられます。
この復讐計画こそが、今回のジュネ監督のアイディアが満載につまったおもちゃ箱です。
そしてバジルたちが悪徳企業に仕掛ける最後の罠には、
見ているこちらも騙されるほどの徹底ぶり!

今回は久し振りにジュネ・ワールドに浸れました!
彼の映画の好きなところは社会に適応できない人たちをヒーローにするところ。
そして細部までこだわった映像もそうですけど、
前半はシリアルで現実的な状況に主人公が置かれるの対して、
そこから急に半分ファンタジーのような世界に入って主人公たちを幸せにしていくこと。
これはディズニーランドにちょっと似ている。
原題の「ミックマック」とは「たくらみ、陰謀」のこと。
「アメリ」では主人公がパリの人を幸せにするために幸福の陰謀をこしらえたが、
今回の映画の主人公は巨大な2つの悪徳企業に対して、不幸の陰謀をしていく。
悪い人間をやっつけるという安易な筋書きは痛快で面白い。

映画上映後のトークショーでは、アメリのカフェ(Cafe des 2 Moulins)に
監督自身もよく行くと言う話に。カフェにいると日本女性がたくさん来ると言っていました。
しかし誰も自分が監督だということに気づいてくれず、
店内にあるアメリのポスターを撮りたいからどいてくれと言われたらしい。
日本女性のかた、心当たりのある方はいますでしょうか??
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by kou-mikami | 2010-03-20 11:46 | パリの映画
我が至上の愛-アストレとセラドン-
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ついに念願の「我が至上の愛」をスクリーンで観ました。
以前東京で上映していたときは、観ることができず悔しい思いをしていたのですが、
今回ロメールの追悼上映で観ることになりました。
まさかロメールの逝去の後にスクリーン鑑賞が実現するとは、皮肉。

とはいえ、楽しみにしていた作品を見れるので心も高ぶる。
すでに観た映画好きの先輩によれば、「ラストがなんじゃこりゃ?」
という感じだと聞いていたので、天邪鬼な私は余計に楽しみになっていたのでした。

いざ見ると、これはすごい。
フランスがまだガリア地方だった5世紀が舞台。
とある牧歌的な村落に住む羊飼いの男女の純愛が描かれる。
なにもかもがまさに御伽噺的で、まったくつじつまが合わないことばかり。
男(セラドン)は浮気の疑いを女(アストレ)にかけられて、
すぐに川に飛び込んで自殺してしまう(しかもいきなりだ)。
しかし運良く美女3人の精霊に助けられ彼女たちの住む城で生活する。
途中で独占欲の強い精霊から逃げ出し、
2度とアストレの前に現れない誓いを立てて一人で山暮らしを始める。

これだけ書くだけでも、なんだか突拍子もない話だが、
この時代にはあったかもしれないと思わせるのは
画面に映る自然の美しさのせいかもしれない。
どれもこれも絵画的な情景でまいってしまう。特に精霊の官能的な美しさはすごい。
いかにも演劇的な衣装を身にまといっているんだけれど、
あんな精霊に出会えるなら川に飛び込んで自殺してもいいかなと思ってしまう・・・。
物語の後半はさらに突拍子もないことになっていく。
山暮らしをしながらもどうしてもアストレに会いたいセラドンは、
城の催しに修道士の娘として女装して彼女の前に現れる。
そこから先はもう笑いとエロティックのすごい世界だ。

ロメールだってきっと含み笑いしながら撮っていたに違いない(推測ですけどね)。
しかしすごいのは、この物語が忠誠的な至上の愛とは何かをあまりに真剣に教えてくれるところ。
ちょっとおかしくて、変でつっこみをいれたくなるようなストーリー展開も、
よくよく考えてみればロメールが人生を通して伝えたかった愛を語るため。
自然が美しくて、女性が可愛くてエロティックで、そして最後に教訓を残す。
フランス映画の極みはやはりロメールにある。今まで本当にありがとう。
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by kou-mikami | 2010-03-15 21:51 | パリの映画
オルエットの方へ
パリとはあまり関係ないんですが、
とても面白いフランス映画を観たのでご紹介したいと思います。

「オルエットの方へ」(Du Cote d'Orouet)というフランス映画を観てきました。監督はヌーヴェル・ヴァーグの最年長ジャック・ロジエ(エリック・ロメール亡き今は、彼が最も最年長の監督といえるでしょう)。この映画は今まで日本で一度も上映されておらず、今回限りの上映になりそうなので、いてもたってもいられなくなり観に行きました。彼の映画はフランス人のバカンスを描いたものが多いのですが、この映画もまさにフランス人のバカンスそのものが物語となっています。

パリで働くOL3人が海辺の別荘にバカンスに行くだけの話なんですが、フランス映画でここまで笑ったのは初めてです。どうでもいいことに真剣になって笑い続ける3人、そのうちの1人が好きでバカンス地まで追いかけてきた会社の冴えない上司(この俳優がいい味を出している)。3人が冴えない上司をないがしろにするシーンが延々と続きます。映像がいきなり途切れて日付が入るのも、ヌーヴェル・ヴァーグならでは(エリック・ロメールの「夏物語」を思い出します)。

カメラがあるとは思えないあまりにリアルなバカンス風景がこれでもかというぐらいスクリーンに流れ続けます。なんというか度を過ぎるほどにリアルな映像とOL3人の無邪気さにただ笑うしかないのです。極めつけはオルエット。題名となっているオルエットは彼女たちがいったバカンス地の近くにある農場の地名。なぜかオルエットの発音をめぐって3人が大爆笑し、「オォォルゥゥエット」と叫び続けます。そして「オルエット・カジノ」という垢抜けない看板の先にあったカジノの正体にまた大笑い。この映画は何が起きても笑ってしまう正真正銘の幸せなバカンス映画。そして、この映画を見ることで日本人がいかに人生の楽しみを損失しているかが分かってしまうところが悲しい。やはりフランスのバカンスは人生の喜びそのものなんだなぁ。60年代のパリのオフィス風景も見所です。
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by kou-mikami | 2010-02-15 00:42 | パリの映画
パリの映画(3)
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パリの夏の夜といえば「野外上映会」です。

野外での映画鑑賞はパリの夏の風物詩となっています。
夜空の下、自然体で映画を見る。まさにフランスらしいイベントです。

場所はパリ市内の公園や庭園、教会前広場など。
往年の名画から、ヌーヴェルヴァーグ、最新作まで国を問わず様々な映画の
プログラムが組まれています。運営スタッフたちも楽しそうです。

去年見た野外映画を思い出してみると・・
サントゥスタッシュ教会前広場で「ムーラン・ルージュ」
シャンゼリゼ庭園で「勝手にしやがれ」
ヴィレット公園で「誰も知らない」

ただ夜は意外と寒いので、マフラーや長袖が必要かもしれません。
後半は少し震えながら見てましたので。じっとしていると寒いんですね。
主人公の過酷な人生と自分の身体の震えが一体になったことを
今でも覚えています。

それと今まで無料でしたが、今年は有料のところもあるようで。
だんだんせちがらい世の中になっていくようです。
ユーロ高の中、映画とワインだけは安いままでいてほしいものです。

*写真は去年のヴィレット公園での上映会。

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by kou-mikami | 2008-08-16 21:03 | パリの映画
映画(2)
カンヌ国際映画祭2008も閉幕して一ヶ月。
日本にいるとネットの情報だけで非常に味気ない。
映画祭は現場に行かないとやっぱり分かりませんね・・・

そんなとき、パリでお世話になったアラン・ミノ監督から
カンヌ国際映画祭に行ったというメールをもらいました。
新作紹介のためにショートフィルム部門に出品したとのこと。

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Alain Minot et Tusk, Cannes (2008)

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Tusk, Cannes (2008)

カンヌの強い日差しが感じられます。
パリから、はるばる愛犬も連れていったんですね。
それに一番驚きましたよ・・・。
次回作も期待しています。

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by kou-mikami | 2008-06-30 22:48 | パリの映画
映画(1)
先日パリから小包が届きました。
なんだろうと開封してみると映画のDVDが入っていました。
去年の夏にパリで撮影された映画が完成したとのこと。

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"Silence! on voudrait bien s'aimer..." (静かに!)
監督:Alain Minot  出演:Cyril Descours
【予告編】

日本人観光客の役で少しだけ出演した映画で、
ヴァンセンヌの森で撮影された短編コメディです。

監督には「典型的な日本人のように演技をしてくれ」と言われ
結局どうしていいか分からないまま演技をしました。
メイクさんには歌舞伎のように目の周りを赤くされ、
「こんな日本人いないのになぁ」と思いながら何も言えず・・

撮影当日の朝は雨でしたが昼には晴れ、
ルノワール的な平和な光の中での撮影でした。
都会にあんな森があること自体、やはりいいものです。

今回はそのとき撮った写真を何枚か。

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  撮影中のアラン監督

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  主演俳優と監督の愛犬タスク君(犬も出演してます)

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  親子役の2人

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  カフェのギャルソンも撮影に参加!

残念ながら上映会には行けませんでしたが
とにかく完成してよかったです。
今後の監督の活躍を陰ながら祈っております。

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by kou-mikami | 2008-06-04 17:33 | パリの映画



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