カテゴリ:パリの街角( 32 )
パリの老舗デパート「サマリテーヌ百貨店」
少し昔のパリのガイドブックには、
「このデパート屋上から見るパリの眺めはとても素晴らしい」と書かれています。

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ポン・ヌフから右岸側に見えるこの建物は、パリの老舗デパートだった「ラ・サマリテーヌ」。
なんでも揃うと評判で屋上からの眺めのよいデパートとして人気でしたが、
1990年代から経営が悪化し、2005年に閉鎖。
建物の一部は文化財に指定されています。夜には文字がライトアップされますが、
近くへ行くとまるで廃墟のような雰囲気になっています。

「よきサマリア人」という意味を持つこのデパートは、
19世紀後半の1869年にエルネスト・コニャックによって作られました。
百貨店文化が花開いた時代にできたアール・デコ様式の老舗デパートです。

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夜のサマリテーヌとポン・ヌフ駅

ラ・サマリテーヌが生まれた時代というのは、
まさにオスマンによるパリ改造が行われた時期と重なります。
この時期に今日のいわゆる百貨店が次々に生まれました。
豪華な内装と定価という安心感を兼ね備えたデパートは、
パリ市民の心をつかんで急成長していきます。

まず1852年に世界初の百貨店「オ・ボン・マルシェ」がブシコーという商人によって
パリ左岸のバック通りにできています。
1867年には「オ・ボン・マルシェ」で働いていたジュール・ジャリューゾが
オペラ座の北側に「オ・プランタン」を開店しました。
同じ年に元衣料品店だった「ラ・ベル・ジャルディニエール」(美しき女庭師)が
できています。
そして2年後にその隣にできたのが、今回紹介した「ラ・サマリテーヌ」です。

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ポン・ヌフから見たサマリテーヌ

1869年にできた「ラ・サマリテーヌ」は急成長を遂げていきます。
創設者のエルネスト・コニャックは、「オ・ボン・マルシェ」の店員だった
マリー=ルイース・ジェイと結婚して、夫妻で共同経営するようになります。
ベル・エポックの時代にはアール・ヌーボー様式の美しいデパートとなり、
その後アール・デコ様式に改修され、1933年にはギャルリー・ラファイエットと
オ・プランタンを超えるパリ最大のデパートになりました。
また夫妻は「オ・ボン・マルシェ」の創設者ブシコー同様に社会活動を積極的に行い、
コニャック・ジェイ美術館をつくりました。

しかし1990年代に経営が悪化。
2001年にはルイ・ヴィトン・モエヘネシーに買収されましたが、
2005年に老朽化によって閉鎖が決定しました。
その後サマリテーヌは時代に取り残された廃墟のように閉店したまま、
今までセーヌを見下ろしていました。しかし2010年、ルイ・ヴィトンによって2014年開業に
向けて改修されることが決定されました。
建築デザインを手掛けるのは日本人の建築家ユニットSANAA。
新サマリテーヌの建物内にはデパートだけでなく、市営アパートやホテルが入る予定。
近いうちにパリの新しい名所サマリテーヌが生まれるかもしれません。

そのときには是非、このデパートの屋上から眺められる自慢の「パリパノラマ」を見たいものです。

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by kou-mikami | 2011-12-09 09:01 | パリの街角
永遠の静寂が支配する、かつてパリ一の盛り場だったパレ・ロワイヤル
18世紀パリの中心だった元王宮へ

今日はパリの中心にありながら、とても静かな観光エリアをご案内します。

パリ一の観光地ルーヴル美術館の北を走るリヴォリ通りを渡ると、古い建物が見えてきます。
ここが今回の舞台「パレ・ロワイヤル(Palais Royale)」。
かつての王宮ですが、今は国務院が入っていて非公開となっています。
今回ご紹介するのは、その王宮の奥にある回廊に囲まれた中庭です。

ここ足を踏み入れると、ルーヴル宮殿の喧騒が嘘のように静か。
誰もが散策自由で、古都パリの中枢にあるオアシス的な場所となっています。
ここはかつてパリ随一の観光地でした。

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薄暗い回廊を抜けるとパレ・ロワイヤルの中庭へ。
子供の遊ぶ声が聞こえてきました。中庭を散策してみましょう。


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パレ・ロワイヤルの中庭。静かな庭園内には噴水があり、家族連れや遊歩者が時を過ごす。
かつてはルイ13世、14世の王宮庭園でした。


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庭園内では噴水前の椅子に座って読書をしたりスケッチをしたり。
パリの中心部にありながら、ゆっくり自分だけの時間を過ごせるオアシスなんです。


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子供たちも伸び伸びと遊んでいます。これは「だるまさんが転んだ」?


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犬も庭園をお散歩中


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一体どこへ行くんでしょう?


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庭園で遊ぶ女の子(近くにいるおじいちゃんと一緒でした)


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買い物帰りにパレ・ロワイヤルで一休み、というのもいいですね


王宮からショッピングセンターへ

平和な中庭になっているパレ・ロワイヤル。もともとはルイ13世の宰相リシュリューの城館でした。ルイ13世の死後、1640年代には幼少時代のルイ14世がルーヴル宮殿からここへ移り住み、「王宮」(パレ・ロワイヤル)と呼ばれるようになりました。それからブルボン王朝の傍系オルレアン家の宮殿となり、ルイ14世の弟であるオルレアン公フィリップ1世が住むようになりました。しかし1784年にルイ=フィリップ・ドルレアンが中庭の回廊を改装してアーケード付きのショッピングセンターに変えてしまいます。


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ショッピングセンターとなった回廊。
しかし今では訪れる人も少ない。

回廊にはレストランや商店ができ、警察の立ち入りが禁じられていたので革命家や娼婦のたまり場にもなりました。
それ以来、パレ・ロワイヤルはパリ一の盛り場として流行の発信源となりました。その噂はヨーロッパ中に広まり、世界中から人が集まったと言われています。フランス革命のあった1789年にはカミーユ・デムーランが演説を行ったところでもあります。現在の寂れ具合からは想像もできません。


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古くからパレ・ロワイヤルのアーケードにある勲章のお店。
アーケードには彫版工房や、アンティークの銀食器のお店、鉛製のおもちゃの店、勲章を売る店などが入っていて、18世紀から時が止まったかのような商店街。現代アートを鑑賞できるギャラリーも入っているところが面白い。


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パレ・ロワイヤルに残った唯一のレストラン「グラン・ヴェフール」
静かな回廊で18世紀を喧騒を想像しながら食事というもいいですね。


コレットとコクトーが住んだ場所

ここには20世紀を代表するフランスの作家コレットとコクトーが住んでいた場所でした。二人は近所同士で、お互いに窓越しに手を振りあう光景が見られたといいます。コレットは晩年には関節炎を患い、ほとんど部屋のベッドから出ることはありませんでした。1922年のプルーストの死後、もっとも優れたフランス作家と言われてきたコレットは、レズビアンでありながら、フェミニストを嫌悪したりと、矛盾に満ちた人生を送っています。才能を開花させた1920年代から1954年に亡くなるまでフランスを代表する女性作家と言われてきました。コレットとプルーストは当時のフランス文学とは異なる文体で、独創性に満ちたものでした。代表作は『シェリ』『シェリの最後』『青い麦』『クローディーヌの家』など。

コレットのアパルトマンはボージョレー通り9番地2階にありました。現在は3部屋しか残されておらず、ジャック・グランジュという室内装飾家の所有になっています。そこからはコレットが晩年に関節炎に苦しみながら眺めたパレ・ロワイヤルの庭園を眺めることができるようです。


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家族連れの多いパレ・ロワイヤルの休日風景


現代芸術もあり、子供に人気
またパレ・ロワイヤルは古さの中に新しい芸術を取り入れています。庭園の中にはダニエル・ビュラン作の地面から浮き出たような白黒ストライプの円柱群やポール・ビュリイ作の銀色の球体などの現代的なオブジェがあります。
たまに現代美術の展示も行われ、行くたびに新鮮な出会いがあるのもパレ・ロワイヤルの魅力です。

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ビュランの円柱で遊ぶ子供。楽しそう


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生えてきたような円柱の中を走ります


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パレ・ロワイヤルの現代アートは家族の憩いの場になっているんですね

遊歩者に最適なアーケードや子供も遊べる現代芸術もあるパレ・ロワイヤル。
ルーヴル美術館の観光の一休みに訪れてみてはいかがでしょうか。

パレ・ロワイヤルとその他のパリ写真
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by kou-mikami | 2011-03-07 14:07 | パリの街角
19世紀パリの不思議建築:ロトンド・ド・ラ・ヴィレット
今回はパリに残る19世紀の不思議な建築と最新の人気スポットをご紹介します。

映画『アメリ』で有名なサン・マルタン運河の終点はパリのスターリングラード駅。
ここはヴィレット貯水池の始まりの場所でもあります。

その貯水池の前に不思議な円形の建物があります。
これはロトンド・ド・ラ・ヴィレット(Rotonde de la Villette)と呼ばれるもので、
フランス革命直前の18世紀末に建てられた入市税の関所です。

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19世紀の歴史的建造物ロトンド・ド・ラ・ヴィレット

当時ここには城壁があり、文字通りパリの外れでした。
パリにやってくる商人や農民たちから税をとるためにこの建物が建てられ、
1784年から1788年まで使われました。
今では城壁はなくなり、この円形の建物だけが残っています。

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ロトンド・ド・ラ・ヴィレットは「幻視の建築家」と呼ばれるフランス革命期の建築家クロード・ニコラ・ルドゥーによって作られました。
なんだかパリとは思えない不思議な建物ですね。

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スターリングラード駅周辺の街並み。少し怪しげな雰囲気・・・
でも治安は悪くありませんのでご安心を

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ロトンド・ド・ラ・ヴィレットの目の前には大きな噴水があり、その先にはヴィレット貯水池が広がります。
次にすぐ近くの映画館に行ってみましょう。

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ロトンド・ド・ラ・ヴィレットのすぐ前にパリの大型映画館MK2があります。
MK2はパリに複数あるチェーン系映画館。
池の目の前にある珍しいロケーションの映画館ですね。
船も行き交い、水辺の遊べるスポットとして若者に大人気。
夜はイルミネーションがきれいです。

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向かい側にはカフェもあり、貯水池を見ながら時間を過ごせていい雰囲気です。

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水辺の映画館とカフェが楽しめるヴィレットは人気スポット。
歴史的遺産と新スポットが組み合わさった新しいパリの観光地です。

アクセスはメトロ2・7・5番線のスターリングラード駅が一番便利。
サン・マルタン運河散策のついでに立ち寄るのもいいかもしれません。
そこからさらに北へヴィレット貯水池が流れ、その先には最先端のヴィレット公園があります。
野外映画祭も開かれる解放感あふれる公園で、こちらもおススメです。

⇒その他のパリの観光はこちら
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by kou-mikami | 2011-02-27 13:11 | パリの街角
パリ左岸では珍しい階段通り sanpo
今日はあまり知られていないパリの南をご紹介。
気さくな界隈である14区を散策します。

メトロ4号線のアレジア(Alesia)駅を降りてアレジア大通りを東へ歩くと、
不意にパリでは珍しい階段が現れます。
この唐突さは「階段好き」にはとても嬉しい。

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     突然現れたパリの階段

この階段、「芸術家通り」(rue des Artistes)という名前がついていまして
れっきとした「通り」なのです。

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     地元の人が利用する芸術家通り(階段)

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     では上ってみましょう!

階段を上ると視界が開けます。
上は小高い「島」のようになっていて、景色ががらりと変わります。
外界から守られた閑静な住宅街になっているので散策にも最適!

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     カラフルな家のある通りに出ました。なんだか心躍りますね!

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     ヴィラ・スーラ(Villa Seurat)という画家の名前を冠した通りもあります。

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     ヴィラ・スーラは石畳の敷かれた美しい通りです

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     この界隈にはこんな現代アートのギャラリーもあります。
     展示中はインターフォンを押して入れてもらいます。

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     他の階段から降りてみます。どこへ出るかはお楽しみ

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     この階段はローブ通り(rue de l'Aube)というらしいですね

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     階段の下を南へ走るルネ・コティ大通り(Avenue Rene Coty)
     かつては「パリの辺境」と言われたこの界隈も今ではきれいに整備されています

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     さらに南へ行くと、起伏のある美しいモンスリ公園に出ます。
     この公園には「しゃべるベンチ」があるらしい。(まだ発見できず)

ここまでくると本当にパリの最南部。パリと郊外の境界です。
公園の南には広大な大学都市(Cite Universitaire)が広がっています。
RER B線の大学都市駅(Cite Universitaire)からパリ中心へ戻ります。

その他のパリの写真
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by kou-mikami | 2010-12-02 14:01 | パリの街角
貴族の館を利用したパリの写真美術館
写真を発明したフランスならではのスポットをご紹介します。
ヨーロッパ写真美術館。
パリ4区のセーヌ川近く、マレ地区の優雅な通りの一角にある写真専門の美術館です。

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ヨーロッパ写真美術館 Maison Europeenne de la Photographie

写真を発明した国フランスだけあって、そのコレクションは欧州最大級。
現代写真1万数千点を所蔵し、常にみなを驚かせる奇抜な展示を意欲的に行っている。
現代写真だけでなく、昔の雑誌や写真をもとにした「写真の歴史」に関する幅広い常設展示もあって見応え十分。

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パリ4区マレ地区、写真美術館前のフォルシィー通り

その魅力は展示だけではありません。扱っているのが現代写真でも建物はかなり古いのだ。
それもそのはず、18世紀の始めに建てられた貴族の館(エノー・ド・カントルブ館)の中にあり、
歴史ある古びた階段を上がっているとなんだか貴族のプライベートなパーティに呼ばれたかのよう。屋内にはカフェやショップもあり、写真鑑賞後はゆっくりと時間を過ごすことができる。
また美術館の入り口には「Niwa(庭)」と題された美しい石庭があります。
これはパリ在住30年以上の写真家田原桂一氏の作品。
パリに突然出現した「庭」は、美術館に入る前のちょっとした小休止にちょうどいい。

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写真美術館前にある石庭「ニワ」

ちなみに水曜の17時以降は入場無料となっているのでオススメ。写真好きにはたまらない美術館といえそうだ。
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by kou-mikami | 2010-11-12 00:47 | パリの街角
かつての女郎屋街だった道徳通り(パリ3区)
マレ地区の北、中国人の多い3区で気になる通りがあった。
「荷風パリ地図」で書かれていた「道徳通り」(Rue des Vertus)だ。


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道徳通り(Rue des Vertus)

たいてい通りの名前というのは、その通りの特徴を指していない。
というのも、この道徳通りはかつて女郎屋街だったところで、
カンカンポア通りと同じくらい怪しげな雰囲気の漂う場所だったらしいからだ。

荷風はそんな「不道徳な」通りが好きだったのだろう。
しかしいざ行ってみると、怪しさなどはあまり感じられない普通の通りであった。
当たり前だ。もう荷風の時代から100年経っているのだ。

しかし失望は散策につきもの。むしろ何か痕跡が見つかるかもしれない。
工事中の通りの狭い角をすり抜けるようにして道徳通りへ入る。


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パリ3区、かつての女郎屋街だった道徳通り


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通りを犬を連れて散歩する女性

しかし、痕跡はほとんどない(もしくは気づかないだけか)。時の流れとはそんなもの。
それでも通りの名前と建物が100年前と同じまま残っているところが
パリのすごさだ。人は変わっても建物は変わらない。

実はこの通りに来たのにはもう一つ目的があった。
この通りにパリで一番古い家が残っているというのだ。
しかし後から他のガイドブックを読むとそれは間違いで、
最も古いのはモンモランシー通りにある錬金術師の家だそう。
しかし古いことには変わりないので、見に行くことに。


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荷風パリ地図でパリで最も古いと書かれていた家
(実際にパリ最古の家はモンモランシー通りの錬金術師の家


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通りの中ほどでMaire通りとぶつかる。その角に古いカフェがあった。


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くすんだ青色のBARの看板がとてもレトロ


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レオミュー通りから振り返り、道徳通りを見る。本当に小さな通りだ。

しかしこんな小さい通りにこそパリがある。
小さなカフェやレストラン、そして犬を散歩させる地元の人。
今ではこの界隈がチャイナタウンであるせいもあり、中国人が多い。
昔の歴史は消えても、人は入れ替わって生活をしている。

通りだけが変わらずにそこにあるというパリの不思議さ。
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by kou-mikami | 2010-08-14 12:05 | パリの街角
エクトール・ギマールのオリジナルが残るメトロ入口(アール・ヌーヴォー作品)
パリへ行くと、必ずお世話になるものがあります。
それがメトロ。それほどパリ歩きにとっては欠かせないものの一つです。

あのうねうねとした蔦のような緑の入口。
これはエクトール・ギマールというアール・ヌーヴォーの代表的建築家の作品です。
今でこそ彼の作品は有名ですが、30年ほど前に再評価される前までは、
時代遅れのデザインとしてほとんどが取り壊されてしまったのです。
だから今のメトロにも見られるあの入口は新しく作り直した「複製作品」になっています。

しかしパリを探せば、まだ当時のオリジナルのメトロ入口がいくつか残っているのです。
その一つが2番線ポルト・ドフィーヌ駅(Port Dauphine)のメトロです。
ここは16区の高級住宅街の外れ。すぐ近くにはブーローニュの森が見えています。
16区にはギマール作の邸宅が多く残っているので、その関係でこのメトロも
破壊を免れたのかもしれません。
今回の6月の撮影では、ようやくこのメトロを見に行くことができました。

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メトロを出て、入口を見上げるとびっくり。
それにしても、なんという形なんだろう!
まるで巨大な昆虫が薄く広い羽を広げ、今にも飛び立つかのような姿です。
こんな想像力の豊かな入口が、冷たく暗いメトロにつながっているなんて、
なんだか信じられなくもなってくる。
入口の中を取り囲む琥珀色の内装も美しい・・
メトロ自体がパリの地下に伸びる巨大な生命体なのではないかと思えてきます。
そうなると、メトロに乗る乗客はさしずめ血液になるんでしょうか・・。

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こんなメトロで待ち合わせするのもいいですね

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フォッシュ大通りから見たメトロ。幻想世界の昆虫みたい!

このメトロは観光ではあまり馴染みがないかもしれません。
(砂漠のような高級住宅街16区へ観光しに行く人はあまりいませんしね)
ここはちょうど凱旋門から伸びるフォッシュ大通りの終点になっています。
パリで一番幅が広いといわれる高級なフォッシュ大通りの先には
ブーローニュの森が広がっています。

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高級住宅街16区を象徴するかのようなフォッシュ大通り。奥に見えるのはブーローニュの森。

旅行の一休みに、背後に森の広がる美しいメトロを見に行ってはいかがでしょう?

その他のパリ写真
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by kou-mikami | 2010-07-19 08:55 | パリの街角
パリに来たことを実感できる広場 sanpo
今回はパリのコンコルド広場についてお話します。

ルーヴル美術館から凱旋門まで歩くときに必ず通るのがこの広場です。
ルーヴルからひたすら長いチュイルリー庭園を抜けると、オベリスクが見えてきます。
第一印象は広場というより巨大なターミナル。横断するだけで一苦労。
常にカメラマンがいたりしますが、なんだか広すぎてどこに立っていいかもわからない。
常に人を困惑させる。それがコンコルド広場です。

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夜のコンコルド広場
中央にあるのははナポレオンがエジプト遠征のときに戦利品として持ち帰ったオベリスク(クレオパトラの針)。奥に見えるのがブルボン宮とアンヴァリッド。

当初はルイ15世広場と呼ばれ、革命期には革命広場と名を変えてルイ16世や
マリー・アントワネットの処刑も行われました。
今では車が行き交い、当時の痕跡は何も残っていません。

広場にはブロンズ製の群像で飾られた2つの噴水と8つの女神像があります。
また高級ホテルクリヨンはこの広場に面しています。

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コンコルド広場の噴水

コンコルド広場から西に目を向けると、そこはもうシャン・ゼリゼ大通り!
金色に輝く通りの先には凱旋門が見えています。
パリに来たことを最も実感させてくれる眺めかもしれません。
そして北に目を向ければ、ギリシャの神殿のようなマドレーヌ寺院、
南に目を向ければセーヌの対岸に国民議会(ブルボン宮)が見えます。

つまりこの広場は凱旋門、ルーヴル、マドレーヌ、ブルボンを結ぶ十字架の
中心に位置するわけです。
東西南北にパリの主要な建造物があるこの広場は、まさにパリの黄金ルートの「起点」
といえるかもしれません。
ここを立つと、パリがいかに綿密に計画された美しい都市であるかが実感できますね。

昼間は単に疲れるだけの広場ですが、夜になるとその美しさは格別で、
パリの夜で一番美しい眺めとさえ言われています。
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by kou-mikami | 2010-05-28 05:40 | パリの街角
ムーラン・ルージュは観覧車だった?
「夜のパリ」と聞いて連想するものはなんでしょうか?
ライトアップされたエッフェル塔や遅くまで賑やかなシャンゼリゼもそうですが、
ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

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夜のムーラン・ルージュ

フランス語で「赤い風車」を意味するこのキャバレー(ダンスホール)は、
肉屋をやっていたジドレールという興行師が、1889年のパリ万博の観光客のために作ったものでした。
いわばイベント用に作られた観光用施設だったのです。
場所はモンマルトルの丘のふもと、パリ一の歓楽街であるピガールにあります。

写真を見ても分かるように、実際に赤い風車が屋根の上に乗っていますね。
一般的にダンスホールですが、お客が踊って楽しむのではなく、
フレンチ・カンカンなどの派手なショーを舞台で見せるナイトクラブとなっています。
当初中庭では小劇場を備えたテラスがあり、娼婦たちが客を探す場所だったらしい。

またムーラン・ルージュといえばロートレック。
画家のトゥールーズ・ロートレックがここに通いつめて踊り子たちの姿を描きました。
ロートレックの生涯を描いた「ムーラン・ルージュ」という映画もあります。
この映画は、パリで毎年夏に行われる野外映画祭で初めて見ました。
サン・トゥスタッシュ教会の前に巨大スクリーンが現れ、夜の12時近くまで上映。
あまりの寒さで最後のほうは集中して観られませんでした・・

現在のムーラン・ルージュでもフレンチ・カンカンが楽しめ、中には映画館も入っています。
『荷風パリ地図』によれば、当初の風車は「大きな輪に幾十もの大きな箱をぶらさげて、
そのなかに客をのせて、紅い灯をつけながら、ぐるぐるとまわした展望観覧車」だったという。
この風車が人を乗せて動いていたかと思うと面白いですね。
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by kou-mikami | 2010-05-22 22:30 | パリの街角
セーヌ川に浮かぶ「白鳥の小径」を歩く
東京では三寒四温が続いていますが、もう春ですね。
東京では春はゆっくりとやってきますが、
パリではまるで劇場の幕が開くかのように、まさに劇的に春がやってきます。
(それだけパリの冬が過酷ということなんですが・・・)

さて、今回はエッフェル塔の近くで静かに過ごせる
パリの隠れた名所をご紹介します。

その名も「白鳥の小径」(Ile des Cygnes)。
名前の響きもいいですよね。
ビラケム橋からグルネル橋まで続く、約1キロの細い「水上」散歩道。
この散歩道、セーヌの真ん中を走るので、眺めもよくとても気持ちいいんです。

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       新緑に囲まれた白鳥の小径。


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       ジョギングする人が多い。両側はセーヌ河

もとは19世紀初頭に堤防として造られたもので、
現在は犬を連れた地元の人やジョギングする人が目立ちます。
ベンチもあるので休憩にぴったりです。
(天気のいい日はよくここでサンドイッチを食べたり読書してました)

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       白鳥の小径のベンチで一休みするおじいさん


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       左岸には高層ビルも見えます

散歩道の西端(グルネル橋)には「自由の女神像」が立っています。
これはフランスがアメリカに自由の女神像を贈ったお礼として、
パリに住むアメリカ人がフランス革命100周年を記念して制作したものです。
(東京・お台場にある自由の女神像はこの像のレプリカです)

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        夕暮れ時の自由の女神像

観光ではなかなかここまで来る人は少ないかもしれませんが、
エッフェル塔も見えるし、左岸と右岸の景色を両方楽しめるので
オススメの散策ルートです。
エッフェル塔への最寄駅ビラケム駅からもすぐですので、
観光の途中で是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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by kou-mikami | 2010-04-13 22:52 | パリの街角



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